ここはJR北山形駅と駅前の通りである。かつては多くの繊維問屋が並び、仕入れ客や販売員で賑わっていたところである。表通りには大衆食堂や料理店が、裏小路には割烹や小料理屋、スナック等が集まる歓楽街があった。しかし昭和五十三年に郊外の卸団地へこれらの繊維問屋が一斉に移転した後、今はその賑やかさはなくひっそりとしている。
便利さと経済効果という理由で人は街を変えて行く。それは今の社会では当然なのかも知れない。しかしその街の佇まいは面影という後ろ姿を必ずどこかに残して身勝手な人間達にはかまわずに居続けている。
交差点に立ち、駅舎を眺めているとこの街の二十五年前と変わらない息吹きが静かに聞こえ不思議な嬉しさを感じた。
平成十五年正月