山形の街並にはたくさんの煙突が見える。当然の風景のためかその煙突に気を留める人は少ない。
しかし街中から銭湯、醸造屋、酒蔵等が少なくなったことや、公害問題と老朽化の危険等のためその数は急減しているのだ。当然だった風景が次々と目の前から消えているのだ。やがて新しい当然の風景が私たちや子供たちの前に現れるのではあろうが心の中の寂しさは隠せない。
目の前に見えるものは必ず変わっていく、それを無常というのだ。だから目に見える物事に執着してはいけないと先人たちが教えてくれた。しかしそれを解りながらも寂しさを感じるからこそ人間なんだろうか。
そんな事を思いながらここ山形市下条町の裏通りに立つ一本の古い煉瓦造りの煙突を眺めている。
平成十七年正月