山形市中心部の北東にある薬師町に国分寺薬師堂がある。
毎年五月初旬の三日間この寺を中心とした界隈の道では日本で三つの指に数えられる大きな植木市が行われ、多くの人で賑い、薬師堂に詣る。
夏の境内は幾本もの欅の大木の葉が夏の陽射しを遮ってくれる。ここ薬師堂の裏は、表とは違って道行く車の音が消える静かな佇まいである。
同じ薬師堂でありながら表が厳粛さと威厳を感じるのとは違ってここは穏やかで静かなやさしさを感じさせてくれる。
「ひとつ」とは陰と陽、強と弱、正と負の表裏の二つが一緒になったものと教えられた。強さとやさしさ、厳しさと寛大さ、秩序と自由…。人間も結局は「ひとつ」なのであろう。だから人間は面白いに違いない。
平成十七年 夏