山形市宮町 両所宮

ここ山形市北部に康平六年(西暦一〇六三年)正月に鎮守府将軍の源頼義が勝利を祈願し戦に勝利したとして建立した鳥海山大物忌神と月山神を合祀する両所宮がある。

目の前はたくさんの車が行き交うT字路の交差点である。その車達はこの神社を気にもせず先を急ぐようにして通り過ぎていく。そんなことにはかまわず両所宮は人々を見守っているようだ。そして、様々な時代と人々の生き様をずっと昔から見続けているのだろう。

ふと、今の時代は自ら何もすることなく、ただ他から求めているばかりの生き方が多いのではないかと心に思い浮かんだ。そして先人達は求めることは与えることであることを神を通して私達に伝えようとしているではないかと思った。そんな時、一人の老婆が立ち止まり宮にむかい軽く礼をして行き去った。すぐそばを数台の車がエンジン音を残して走り抜けていった。

平成十六年正月